DIYで椅子作るときにも役立つ情報!新作の椅子が出来るまで家具屋の製作中をこっそり見せちゃう!
新作の椅子を作ろう!
ウッドワーカーズは繁忙期前になんとか滑り込ませようと、新作の椅子を製作中なのです!
いきなりネガティブな話題からぶっこみますが、実は以前から課題としてあがっていたのが椅子のバリエーションが少なすぎる問題でした。
ウチの商品群の中で椅子のデザインがワンパターンで、ダイニングチェアに関しては何年間も新作が出ていないという現状だったのですよ。
うんうん!と頷くお客様の声が聞こえて来そうですが(笑)
ずーっと気にはなっていたのですが、新作を開発するのは結構な時間と予算を使うため、思い切らないと進まないんですよね…
家具はデザインと図面が出来上がったらほとんど完成と言っても過言ではございません。
重い腰を上げて新作の制作に取り掛かった私のデザイン面での視点や手順をここに残しておこうと思います。
DIYなどで椅子を製作する時にも知っておくと応用できる情報もございますので、よろしければ最後まで読んでくださいね。
家具を製作するためにはデザインが重要
そんな訳で、「デザインでも考え出せばやる気も出るんじゃね?」的なノリで始めてみたわけなのですが、悩みまくってあっという間に1日目が過ぎていきました。
仕事やれよ( ̄д ̄)
まず、今回のデザインテーマは、4本脚部で幅を従来のカフェチェアよりワイドにするというざっくりした縛りを付けてみました。
4本足の椅子って普通ではあるのですが、私的にデザイン次第でカッコ良くも悪くもなると思っています。個性の出し方が難しいという表現が正しいのでしょうか。
「中華料理店のチャーハンを食べるとその店の腕が分かる!」のと同じ感覚というべきでしょうか?
あ、余計わかりにくいですかね(笑)
そんなこんなで、2日目にようやくハノジ型(ハカマ型)の脚部のデザインが出来上がりました。
この段階では脚部の形とイメージが出来上がったわけですが、ここから「背もたれをどのように付けるのか?」や「高さはどうするのか?」や「肘置きは付けるのか?」
等々のデザイン的問題をクリアしていかなければなりません。
椅子の背もたれは強度が必要
脚部のデザインが決まったら、背もたれをどのように付けるのかが問題になってきます。
ただイメージを描くだけなら誰にでもできるのですが、DIYの工作ではなく商品になる椅子をプロである我々が作るので、強度や耐久性を考慮してイメージデザインも考える必要があるわけです。何故ならウッドワーカーズの拘りの一つは丈夫である事だからです。
単純ですが、ご家族と長く共に暮らす家具であるためには丈夫で長持ちしなければなりません。
後ろ側の脚部を一本で背もたれまで伸ばすのが一般的な椅子の構造です。下記の画像はウッドワーカーズのカフェチェアですが、後部の脚部から背もたれにかけて一本に繋がっているのが分かります。
しかし、今回のデザインではハカマ型の脚部なので、脚部を背もたれ迄伸ばそうとするのは難しく、別に背もたれを付ける事になるのです。
強度を出すために、試行錯誤の結果、下記の画像のような構造を作りました。
このように、脚部と横のフレームとサンドイッチ状態にする事で、十分な強度を確保する事に成功しました。
この構造により、背もたれの問題はほぼクリアしたと言ってよいでしょう!
今回は初めての構造と言う事もあり、強度が確保できるかの実験を兼ねて脚部を実際に制作してみました。
これもデザインや図面を書くためだけに製作しているのです。
肘置きを付けると圧迫感が増す
昔から憧れだった肘置き付きの椅子にしようと思いついたわけですが、これは諦めました( ノД`)シクシク…
だって圧迫感が凄いんですよ…
やりたいことを全部詰め込むのではなく、時には諦め無くすことでシンプルさと機能美が生まれてくるのです。
これは妥協ではなく、この椅子のデザインには肘置きは要らない要素だっただけの事です。
「本当に諦めた訳じゃないです!」大事な事なので2回言いました(笑)
また、肘置きを無くすことで、背もたれの角度を理想の状態にデザインする事にも繋がったのです。
下記の画像は肘置きを付けるために、脚部の高さを高めに設定したボツプロトタイプです。
肘置きの雰囲気を見るために、実験用の脚部に座面と背もたれを付けてみました。
ここまでの工程の全てが、デザインと図面を描くためだけにおこなわれ、1脚の椅子を製作して使用感や問題点を解決したりあぶり出したりしたわけです。
そして、リプロダクトを更に数回おこなった結果、理想のデザインの椅子が完成していくわけなのです。
家具を作るためにはデザインと図面が大切!
デザインが完成したら、そのサイズや角度に合わせて木材をカットしたり、削ったりしながら部品を作り上げていくわけです。
部品が作り終わったら、組み上げて塗装作業で完成となるのです。
完成したのがこちらです。
つまり、デザインが出来て、図面を書いた段階で家具は8割完成している状態になるわけです。
図面さえあれば、図面通りに部品を作って組み上げるだけで、難しく考える必要は無いのです。
勿論、我々はプロなので木材の表裏をみたり、木材の癖を読み取ったり、節や割れを活かせる部分と無くす部分を選別したり等の熟練の目や感は必要です。
しかし、DIYで製作するのなら難しく考えず、先ずは楽しみながら安全に自分だけのオリジナル家具を製作する喜びを知ってもらいたいですね。
関連情報
無垢材の家具|woodworkers/ウッドワーカーズ
woodworkersは、『共に暮らす家具』をコンセプトにしたハンドメイドにこだわる家具工房です。
テーブルやチェア、キャビネット、ダイニングセット、雑貨など、素材の持つ個性を活かして、
ずっと眺めていても飽きの来ない、素朴な作品を製作しております。
長く使うほど味が出る、当店の家具をぜひお楽しみ下さい。
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